F2 Ultraとは?xToolが展開するハイエンド・レーザー加工機
2025年6月に日本でも発売が開始された xTool「F2 Ultra」 は、xToolが展開するポータブル型ハイブリッドレーザー機の最上位モデルです。
業務用にも耐えうる性能を持ちながら、デスクトップで使えるサイズ感に収めたこのモデルは、DIY・副業層からプロユースまで幅広く注目を集めています。
価格は以下の2タイプに分かれています:
モデル | 構成 | 価格(税込) |
---|---|---|
デュアルレーザータイプ | ダイオード 40W + MOPAファイバー 60W | 1,065,560円 |
シングルレーザータイプ | MOPAファイバー 60W のみ | 819,630円 |
F2Ultraの詳細についてはメーカーサイトをご確認下さい。
MOPAレーザーとは?F2 Ultraの最大の魅力
F2 Ultra最大の特徴は、60WのMOPAファイバーレーザーを搭載していることです。
MOPAとは、パルス幅や周波数を自在に制御できる高精度レーザー技術で、以下のような加工が可能です:
- ステンレス・チタンへの 黒・青・赤などのカラー発色
- 高精度なロゴ・微細文字・QRコードの刻印
- 濃淡を制御した金属刻印・装飾
- 多パス処理による深彫り加工(0.5〜1.0mm)
他のMOPAマシンと比べてどうなのか?
AliExpressで販売されているMOPAマシンやGweikecloud製のMOPA機と比べた場合のメリットと注意点を整理します。
◎ 優れている点
- 直感的で使いやすい xTool Creative Space / LightBurn 対応
- 安全性(防塵・防煙・アイセーフティ完備)
- 技適取得済みで展示・業務使用にも対応
- ポータブル筐体・静音性・安定性
- ダイオードとMOPAのデュアル構成も選択可
▲ 注意点・比較ポイント
- 価格はAli MOPAの約2倍
- 細かい制御(パルス幅・Z軸・レンズ交換など)は不可
- 筐体構造は固定型で、拡張性は限定的
F1 Ultraとの違い
F1 Ultra(旧機種)はMOPAではなく、カラー発色や深彫りには限界がありました。
F2 Ultraではその制限が解除され、出力も60Wとパワフルになったことで、本格的な金属加工にも対応できるようになっています。
まとめ:F2 Ultraは高性能。だが、比較すべき時代が来ている
F2 Ultraはたしかに完成度の高いマシンですが、Ali製MOPAなどでも同等機能がより低価格で得られる今、導入判断は冷静に行うべきです。
重要なのは「自分たちの加工目的・商品戦略に合っているかどうか」レイザッカとしても今後も情報発信を続けていきます。
レイザッカでは、より柔軟に使えるMOPAマシンの検討を進めています
F2 Ultraは完成度の高い製品ですが、レイザッカとしては現在、レンズ交換式かつ筐体の自由度が高いMOPAレーザーの導入も視野に入れています。
レンズ交換式MOPAのメリットとは?
AliExpressや業務用MOPA機の中には、F-thetaレンズを用途に応じて交換できるモデルが存在します。
例えば:
- 70×70mm:高密度で深彫りに最適
- 110×110mm:表札やネームプレートに最適なバランス
- 200×200mm〜:広い面積に加工したい場合
こうしたレンズを使い分けることで、カラー発色や深彫りの品質・作業効率が飛躍的に向上します。
F2 Ultraのような「箱型マシン」における制約も
F2 Ultraは安全性と美観に優れた設計ですが、筐体が閉じているため、以下のような制約があります。
- 加工対象のサイズ・高さが筐体内に収まる範囲に限定
- 立体物(例:棚の扉、ポストの側面など)への部分彫刻が困難
- オープンな構造のMOPA機に比べて、現場持ち込みや多用途加工に制約がある
最終的には「使い方次第」──それが選定の軸
レーザー加工機は単なるスペック比較ではなく、「何にどう使いたいか」が重要です。
レイザッカでは、表札制作・金属雑貨・ノベルティなど、多様なシーンで対応できるマシン構成を目指して、引き続き検討を進めています。